オフの日の朝、卑弥呼の起床時間は割かし早めだ。

彼女いわくダラダラ寝ていたら気まで緩むかららしい。

が、今日に限っては昨日の仕事の疲れが尾を引き、目覚めが遅かった。

「んっ・・・。」

眠気に負けじと目をしばしばと瞬かせる。

そして寝返りをうとうとしたその時。卑弥呼は自らの身体に異変を感じた。

何か、腰に重みを感じる。

ゆっくりと眠たい瞳を腰に向ける。

次の瞬間、卑弥呼は見たものに驚き眠気など軽く吹き飛んでしまった。

「なっ・・・!何よ・・・!?」

何と卑弥呼の腰の上に乗っていたのは色白な人の腕だった。

だいたいの予想はできているが、そのまま視線を後ろに這わせ、自分の背後を確認する。

「あっ・・・!赤屍・・・!?」

予想通り、卑弥呼の後ろには先日からの居候、赤屍が横たわっていた。

すかさず卑弥呼は赤屍を起こしにかかる。

「ちょっ!赤屍!!何でここにいんのよ!!さっさと起きなさい!!」


「・・・。」

卑弥呼は腰に回されている赤屍の腕をべしべしと叩き、起こそうと試みるが赤屍はいっこうに起きる気配は無い。
「何で起きないのよ・・・。あのドクター・ジャッカルでしょ・・・?最強最悪の冷血運び屋でしょ・・・?死神でしょ・・・?何で起きないのよ・・・。こんなんじゃ敵にさくーっと殺されるわよ・・・。それに、だいたい何でここにいるのよ・・・。こいつは確かソファーに寝かせてたはずでしょ・・・?」

卑弥呼は本人が起きていない事をいい事に、ぶつくさと文句を垂れる。

「こらー。赤屍ー。さっさと起きなさいー。でないと毒香水ぶちまけるわよー。」

何度か話し掛けてみるが、赤屍から反応が反ってくる様子はない。

これだけやって反応が無いと多少心配になってくる。
卑弥呼は赤屍を様子を確認すべく、半回転して赤屍と向かい合う形をとる。

「確か赤屍の寝顔見るのは二回目よね・・・。まぁ前回は起きてたけど。」

規則正しい寝息をはく赤屍の顔をチラ見し、視線を反らす。

「本当色白いわねー・・・。私なんて産まれた時から色黒だってのに・・・。腰も細いし・・・でも意外と体格はいいし・・・。」

卑弥呼はそっと赤屍の胸に指を這わせながら言う。

と、その時だった。

「そうですか?私は健康感溢れる褐色の肌は好きですよ。」

「っ・・・!!」

上から声が降って来たかと思うと、腰を強く抱きしめられ身を引き寄せられる。


「赤屍っ・・・!!起きてたの・・・!?」

「はい。」

「いつから・・・!?」

「初めからです。」

最初から聞こえていないと思い、言っていた事を全て聞かれていたかと思うと、激しく羞恥心を掻き立てられ、顔を俯かせた。

「また・・・前と同じバターンじゃない・・・。」

「また気付かなかったんですか・・・?もう少し学習能力を上げたら如何です?」

「うっさいわね・・・!!だいたい何でアンタがここにいるのよ!!」

卑弥呼は先程からぼやいている事を、やっと本人にぶつけた。

「ソファーで寝ていたんですけど、やはり長身の私には少々小さ過ぎてしまいまして・・・。」

「いつからいるのよ!!」

「夜中の11時くらいからですね。」

「ひっ!一晩中私のベッドにいたの!?」

「そう言う事になりますね。」

「っー・・・。」

卑弥呼は一晩中この状態だったのかと思うと、顔が真っ赤になっていく。


そんな卑弥呼に気付いているのか否か、赤屍は卑弥呼の頭に顔を埋めた。

「何・・・子供みたいな事してんのよ・・・。」

「私はまだ子供ですから。」

「歳分かんないけどいい大人じゃない・・・。」

「いえいえ。」

「子供って言うより猫じゃないのよ・・・。気まぐれで、自由奔放で、何考えてるか分からない。気づいたころに帰ってきて、知らないうちに出てっちゃう・・・。」

「良くご存知で。」

「良くご存知で・・・って。まったく、こんなに大きな猫を飼ってる飼主の身にもなってみなさいよ。」

「おや、もう定着してきてますね。どうです?猫を飼うと言うのは。」

「・・・中々・・・悪くないわ・・・。」

「それはよかった・・・。卑弥呼さん・・・。」

「何よ。」

「猫って・・・実は甘えん坊なんですよ。」

「・・・そうかもしれないわね・・・。」

たまにはゆっくり起きるのも悪くない。

そう思った朝だった。






END



オマケ


朝9:30。

「んっ・・・うぅ・・・。」

どうやら二度寝してしまったらしい卑弥呼は、再び目を覚ました。

が、横にいたはずの赤屍がいない。

「赤屍・・・?」

「あ、おはようございます卑弥呼さん。今日は起きるのが遅いですね。」

「へっ・・・?今何時・・・?」

「9:30分です。」

「・・・。」

「・・・。」

「やっばーい!!!」

「どうかしましたか?」

「今日オフだから10:00から買い物に誘われてたんだった!!」

「おや、それはいけませんね。」

「もう!アンタのせいだからね!!!」

「何故です?」

「何故って・・・!何故って・・・。」

卑弥呼は朝の自分の言動を思い出し、顔を赤くする。

「もう!なんでもないわよ!!今日は夜まで帰らないからね!!!」

こうして卑弥呼はクスクス笑う赤屍を横目に、ドタバタと家から出て行った。

やっぱり、遅く起きるのはよくないと思い直した。





今度こそ終わり。










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「ホシノバクダン」の鯛智様から相互記念小説です〜vv
しかし実際に相互リンク作業を終える前に、相互小説を頂くという…(最低)
こんな奴にありがとうございます!(深々)
屍卑がベットでいちゃいちゃです。ベット!!(大声だすな)
「アンタのせいだからね!」に邪推したのは私だけではないと信じていますよ皆様(殴)
この屍卑はこれから同棲生活に華を咲かせるのですね〜vv素敵だ!

鯛智様。素敵な小説ありがとうございました!
これからも数少ない屍卑同志として親交を深めさせて頂ければ幸いですvv


06.5.23